#3-131016 野邊厚氏(千葉大学 教育学部 数学教室)

on 9月 19th, 2013 by admin | #3-131016 野邊厚氏(千葉大学 教育学部 数学教室) はコメントを受け付けていません。

題目:セルオートマトンの幾何学 -トロピカル超楕円曲線とソリトンセ
ルオートマトン-
講師:野邊厚氏(千葉大学 教育学部 数学教室)
日時:2013年10月16日(水)17:30~
場所:63号館1階数学応数合同会議室
概要:
セルオートマトンとは局所的な規則が系の大域的挙動を支配する離散力学系である.
このような局所ー大域プロセスは多くの自然現象に共通する性質を単純化したものと
考えられるため,セルオートマトンは様々な自然現象を解析する有用な道具として認識されている.
さらに,セルオートマトンに現れるすべての変数は離散的な値をとるので,
セルオートマトンに関する計算はコンピュータを用いて厳密に遂行可能であり,
誤差のない大規模シミュレーションも行われている.
しかし,このような“究極の離散性”は諸刃の剣であり,その情報量の少なさのため,
従来の数学的手法をセルオートマトンの解析に適用することは困難である.
(例えば,微分方程式の理論を用いてセルオートマトンの厳密解を求めることができるだろうか?)
本講演では,ここ十数年ほどの間,おもに可積分セルオートマトンの解析において
威力を発揮した新しい数学的道具である「超離散化」と「トロピカル幾何学」について
入門的解説を行う.とくに,トロピカル超楕円曲線の加法が
ソリトンセルオートマトン(箱玉系)の時間発展を導く様を,
具体例の計算を中心にお見せする予定である.

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